皆さんは総合失調症とか自律神経失調症などの病名を聞いたことがあると思います。たまには若い方から「よく聞きますが、一体それはどんな病気の事ですか?」という質問もお受けます。これらの病気は非常に掴みどころがなく曖昧で、医学的にも不治と言える難解な病気だと思います。それは心身と密接な関係がある病気だからです。
癌のように、目に見えてその悪腫瘍を取り除いてしまえば形式として「完治」と捉えられますが、ホルモンや神経系のバランス崩壊によって起こる病気では必ず心の問題も併発しますので、白黒では片づけられない複雑性を伴うのです。
例えば、
実際に存在しない声や音が聞こえる幻聴があったり、存在しないものが見える幻覚症状など。全くないことを本気で信じ込んでしまう被害妄想や誇大妄想や、常に頭の中が混乱する思考障害や興奮症状等があります。
このように、正常な人から到底理解できないような事が起こる病態ですから、一言でいえば「周りから理解されない」のです。そうやって周りの理解を得られずにどんどん状況を悪化させていってしまうケースが多く見受けられます。
逆にもっと可哀相な状態なのは、幻聴や幻覚までの症状がなくても、やる気がでない、怠惰感、言葉が出にくい、意欲や自発力の低下など、無感情化、自閉傾向、無気力なため運動不足による健康悪化、また人と接することを極度に嫌がるため、人間関係の崩壊も考えられます。世間的にはこういった症状の人を一言で「鬱病」などと言います。「もっと可哀相なのか?」をもう少し詳しく説明しますと
「単なる怠け者じゃないか」と周りから判断されてしまうような症状だからです。幻聴や幻覚などが見えるなら事も深刻に思えますが、怠惰感や無気力程度では単純に怠慢な人間だと軽視されてしまうのです。だから可哀相なのです。
総合失調症などは医学的に脳内ドーパミンの過剰で幻覚・幻聴・妄想が関与すると言われてますが、私から言えば医学は医学でしかありません。数学のように白か黒かの無機質な答えしか出せないのです。
確かにちゃんと理に適った薬の配合もされてますから、物理的に脳への効果はあるようです。けれども、実際にそれだけでは状況が改善されない多くの患者さんがいるのも事実。それは、先に申しましたように、人間の体は心と密接な関係がありますから、薬剤で脳への刺激を与えたり、ホルモン分泌のバランスをとっただけで全員が治るとは限らないのです。
何をしても治らない場合は、医学の先にある霊的な問題も考えられると判断するのは妥当な見解であると思います。がしかし、そういった不可思議なものに関して免疫のない方が世の中には沢山いらっしゃいます。ましてや、人間は目で見えるものしか信じない生き物ですから、そうは簡単に信じる事はできません。
けれども、悲しい事に、総合失調症なり鬱病、あとはパニック障害などの心身が連結した疾患はかなり高い確率で霊障の一部として私は判断します。それは今までの経験上から言うものであり絶対ではありませんが、遠からず正しいと思っております
物事には機という物があります。それを凡人が見定めるのは至難の業。私は多少なり訓練した身ですから、少々の力を持っております。そういった立場の人間達に身を委ねるのも一つの選択肢。当然、医学と併用しながら行うのも良しでしょう。
周りの方で、私が記した症状に近い人が居ましたら、頭から相手を否定しないで、優しくゆっくりと声をかけて見守ってあげて下さい。「そんなのは怠けてるだけじゃないか」と言い寄ると、甲羅に隠れるカメのように二度と心を開いてくれなくなります。そういった人達や身近にいる家族や友人だけが頼りなんです。どうか、優しい心のアンテナをはって周りを見渡してあげて下さい。